INFORMATION
NEWS
- SLAM DUNKのText 海にうつす追加
- SLAM DUNKのText 海にとかす追加
- 短編集「スターゲイザー」の頒布を開始しました
- SLAM DUNKのText 青の幽霊(9)追加
2025年1月
当サイトではファンアートおよびファンフィクションを扱いますが、 各作品の著者、制作者はじめ実在の人物、団体とは一切関係ありません。 また二次創作を含むすべてのコンテンツの著作権はサイト管理者に帰属します。 無断転載は固くお断りします。ご意見ご感想は以下フォームか マシュマロ、 WaveBox(別窓)までどうぞ。
メッセージは文字まで、同一IPアドレスからの送信は一日回まで。 現在文字数 0文字
好きな生き物は鳥と恐竜。
今の自分が一番好きって死ぬまで言ってたい。
両親共働きで、じいさんも定年後嘱託で働いてて、うちの専業主婦は長い間ばあちゃんだけだった。
女学校を出たようなまぁまぁのお嬢さんらしいけど、食欲旺盛で、太っていて、おおざっぱで、人前でげっぷするようなばあちゃんだった。
私はそんなばあちゃんのことが嫌だった。おまえは顔も性格もよく似ているとも言われて反発した。自分に反抗期があったとしたら、その矛先はほとんどばあちゃんに向いていた。
ばあちゃんは頑固で融通がきかなかった。朝5時前に起きて、家族がまだ寝ているのにリビングの掃除機をかけた。そのくせ昼ご飯の後にソファに寝転がっていびきをかきながら昼寝した。私は非常識でだらしない人だと思っていた。
ばあちゃんが死んで、何年もたって、先日初めて母から聞いて驚いたことがある。
ばあちゃんは生前、長いこと睡眠薬を常用していたらしい。夜寝る前にいくつか薬を飲んでいたのは知っていた。糖尿病と高血圧と膝の痛みを和らげる薬だと思っていたけど、そこには睡眠薬も含まれていたらしい。
私に言わなかった何か、おそらくは苦しみに類する長年の何かがたぶんあった。
私も子供を生んだあと、休みの日は必ず昼寝をせずにいられなくなった。10代のころの私はそんなものが必要になるとは夢にも思わなかった。
私には何も伝えないまま、ばあちゃんは墓の中まで何かを持って行った。私もきっとそうすればいいのだ。
個人の痛みのうちいくらかはそういうものなんだということが、絶望を伴いはしても、同時に救いだと思う。